《MUMEI》
警官キング
(条件反射だな、あれは)


「大丈夫? 皆」


そう、俺達に話しかけてきた柊は


かなり本格的な警官のコスプレをしていた。


とても、高校生には見えない柊を見て、チンピラは本物だと思ったのだ。


俺達が頷くと、柊は優雅に微笑んだ。


(な、何だ?)


その笑顔も、柊が纏っているオーラも普段より輝いて見えた。


「一応、話を聞きたいから来てくれる?」


そして、俺達は、柊に連れられて取り調べ室…


ではなくて、生徒会室に向かった。


(何か、本当に警察署みたいだな)


生徒会役員は皆警官のコスプレをしていた。


その中でも一番目立つのは、やはり柊だった。


柊は今会長補佐をしていて、来年会長になるのは確実だと、お茶を持ってきた婦警


副会長が教えてくれた。


「で、怪我は?」


一通り説明を終えると、柊が質問してきた。


「希が手首捕まれた」


志貴が希先輩の浴衣の袖をまくって見せた。


そこは、うっすらと赤くなっていた。


「保健室行こう」

「え? いいわよ…このくらい」

「ダメだ」

「キャッ!」


柊は軽々と希先輩をお姫様抱っこして出ていった。

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