《MUMEI》
会長の質問
呆然とする俺達に対して、生徒会役員は驚くほど冷静だった。


「お茶…飲まないんですか?」


副会長が不思議そうに質問してきたので、俺達は慌ててお茶を飲み始めた。


守は動揺を隠しきれずに舌を火傷した。


「あの、柊っていつもああなんですか?」

「高山君ですか? そうですけど?」

「あの柊がね〜」


ポツリと呟いた俺の言葉に

(な、何だ?!)


今度は生徒会役員が固まった。


「すみません。ちょっと質問していいですか?」

「はぁ…」


やけに腰の低い人がやってきた。


「会長」

「はぁ?!」×5


副会長の言葉に、俺達は思わずハモってしまった。


「陰が薄くてすみません」
「…」


何と答えたらいいかわからないので、無言でいると、会長は俺に向かって質問した。


「高山君を名前で呼ぶなんて、あなたは何者ですか?」

「な、何者?」


戸惑う俺に、他の四人が答えた。


「吾妻の姫です」


ーと。


すると


「あぁ、なるほど」


何故か、会長は納得した。

会長だけでなく、生徒会役員全員が納得していて、俺は全く理解できなかった。

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