《MUMEI》

「何が言いたいの…?」


「つまりだなぁ……着目すべきは、自分の力かどうかはさておき…って事さ…。」


「…………!?」



死神の言葉を耳にした途端、私の心中に、のび太さんに対する一つの疑念が持ちあがる…。




――…未来を切り開く……即ち、それは『努力』という言葉に置き換えられる…。



――…未来の のび太さんは、私と結婚するために、ありとあらゆる努力を積み重ねた筈……



でもそれが、のび太さん自身の努力じゃないとしたら………。




「忘れたのか?……のび太には、ドラえもんという存在がついているんだろ?」


リュークの声は、私の心中に開いた小さなを綻びを押し拡げた―――…。

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