《MUMEI》
大晦日
あの日以来、麻美を見てなかった

大晦日の夕方、麻美の母が挨拶に来た

父と何か話してた
 
 
父「店、昨日で閉めたんだって」

母「あらぁ、繁盛してたのにねぇ」

俺「何の話し?」

母「麻美ちゃんのお母さんのお店、店じまいしたんだって」

俺「?」

父「優斗知らないだろ、前のママが引退して、ママさんやってたんだよ」
「借金して、店買ってさ」
俺「えっ!大変じゃない!」
母「経営、難しかったのかねぇ」

父「…こんな時代だからなぁ…」

俺「どうするんだろう?
これから」

父「年明けから、知人の店で働くって行ってたよ」

母「働き口が有ればなんとかなるわね」

父「麻美ちゃんも働いてるんだ、大丈夫さ」

何だろう、胸の中の、この不安は…

得体の知れない、不安感が拭えなかった

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