《MUMEI》
お願い
俺達は街をぶらついてから帰った

帰りの車の中で

麻美「優斗、お願いがあるんだ」

俺「ん、なに?」
 
麻美が公園の脇に車を停めた

麻美「私ね…今日の夕方…ちょっと勝負しなきゃならないんだ…」

俺「勝負?誰と?」

麻美「…」

俺「…」

麻美「お願い…何も聞かないで…」

俺「…わかった…」

麻美「でね…」
 「私が、負けないように、おまじないしてほしいんだ」

俺「おまじない?」

麻美「うん…」
「…優斗… …キスして…」

真っ直ぐ前を見たまま、麻美が言った

俺、麻美の肩を引き寄せ
麻美の唇に…
キスをした

触れるだけの、フレンチキス

麻美「へへっ、ありがと」照れくさそうに言った麻美
その後は、何も話さないまま家に着いた

麻美「優斗、じゃあここで」
俺「あぁ…麻美、よくわからないけど、頑張れよ」

麻美「うん」

なんだろう、この不安は

麻美と、もう、会えないような気がした…

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