《MUMEI》
直球
何で俺を呼んだんだろ?

アキラ「ん、どうした?」
ヤバ!目が合っちゃった

俺「あのう…おかわりしていいっすか?」

空になったジョッキを出した

アキラ「エリ!何ぼぉーとしつんだよ!」

エリ「ごめん、ビールでいいの?」

俺「うん」

新しい中生が来た

アキラ「美味そうに飲むなぁ」

俺「あっ、すんません」

アキラ「優斗、エリのおま○こなめたんだろ」

俺「ぐぼっ!ゲホゲホ」
吹き出しちゃった

エリ「アキラ!」

アキラ「俺は優斗に聞いてんだよ」

俺「随分昔ですけど…」
言葉、選ばなきゃな…
テカ、何を急にこの人は…

アキラ「どうだった?」

俺「はぁ?どうって…」

エリ「アキラ!いいかげんにしなさいよ!」

俺「初めて本物見たし、テンパってて、良く覚えてないっす…」

アキラ「やりたかったんだろ」

俺「そおっすね、ヤル気満々だったんだけど…」
「気持ちが先走って、上手く出来なかったっす…」

アキラ「…正直な奴だな、お前」

会話に詰まったし、タバコも吸えないから、ひたすら食った

アキラ「わるかったな、無理やり付き合わせて」

俺「いえ…」

アキラ「どんな奴か見たかったんだ、お前を」

俺「…」

アキラ「エリが、マジ惚れした男だって言うからさ」
エリ「言ってないでしょ、そんな事!」

アキラ「今も付き合いある、唯一の男友達だって言ってたろ」

エリ「…」

俺「エリ、全部話してるの?」

エリ「あっ…うん…昔の男の事とか、しつこく聞くから…」

アキラ「惚れると気になるもんなんだよ、そういう、くだらい事も」

エリ「…」

エリ、まんざらでもない顔だった

この2人が羨ましく思えた
俺も、エリの彼みたいに
直球使えたらなぁ
そう思った

店を出て
 
俺「ごちそうさまでした」
アキラ「おう、またな」

エリ「優斗、ごめんね今日は」

まぁいいよ、満腹だし
美味い肉食えたし

ちょっと恐かったけど…

殴られるのかなぁって思ったし…

俺だったら、好きな女の過去知ったら、どうなんだろう…
気にならないって言ったら嘘だけど、知ったら…

あっ…俺、彼女居ないし…その心配は、まだ先だな…
本気で人を好きになるって……

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