《MUMEI》 薔薇園この御邸の庭園は、一角が薔薇園のようになっています。 そこが、アンリ様のお気に入りの場所なんです。 「綺麗──」 色とりどりの薔薇に心を弾ませているアンリ様の様子を見つめながら──僕は夜が待遠しくてなりません。 「──ほら、見て」 アンリ様が僕を招いたので側に近付くと、そこには一際鮮やかな赤い薔薇が咲いていました。 「これを広間に飾らない?」 「この薔薇を──ですか」 きょとんとする僕に、アンリ様は頷いて茎に手を延ばしました。 「‥! お待ち下さい」 前へ |次へ |
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