《MUMEI》

「如何‥なされました‥?」

「‥ごめん、私──‥」

「御謝りになる必要はございません」

「───────」

アンリ様は包帯を巻かれた指をもう片方の手で握り締めていました。

「お部屋に御戻りになりますか」

「──もう少しだけ、ここにいてもいい?」

「はい。どうぞ、お気に召すまま」

そう言うと、アンリ様はやっと笑顔を見せて下さいました。

「貴方も一緒にどう?」

「──宜しいのですか」

「うん、独りでいてもつまらないもの」

「──畏まりました」

僕は答えて、先程の薔薇に目を向けました。

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