《MUMEI》

「…………。」



私は絶句する…。



…自分の意思とは無関係に、自分の未来が決定されてゆくことへの無力感に――…。




でも、その時―――…


「だがなあ…。」


リュークの声は、一筋の光明をもたらすようなタイミングで、私の心に入りこんできた…。



「…いま、お前の手にも、その力が握られていることを忘れるな…。


…のび太のヤツにドラえもんがついてるのと同じようにな…。」



リュークの指先は、私が抱いている黒いノートを指していた…。

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