《MUMEI》
序章〜プロローグ〜
山道を一人の少女が逃げる。


「…うっつぅぅ…くはぁ…はぁはぁ……」
どのくらい引き離しただろうか。
どのくらい走っただろうか。

「…はぁ…はぁ…」

頭の片隅で考える。しかし、その思考も痛みで直ぐに遮られる。

「……っ…」

痛い。少女は横腹に怪我をしていた。長時間走った疲れから足は、今にも崩れそうだ。
……
なんで、こんなことになったんだろうか…

「…はぁっはぁ……くぅっ…はぁ…」


痛い。それでも少女は逃げる。

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