《MUMEI》 異世界への扉7月16日 9:32 蒸し暑い普通の夏の朝。一週間もすれば世間は夏休みになるだろう。 少女、桐峰 春(きりみね はる)はいつもの様に目が覚めた。 歳は17歳。髪は長い黒髪で顔はすっきりしており美人に分類されるだろう。 普通なら学校に行ってる時間に、春は時計を見ると慌てるでもなくゆっくりと起きた。 「…ん、朝か…」 春は、不登校なのだ。高校に入学しクラスの友達仲良くなってきた頃のこと。友達の一人がいじめを受けたのだ。人一倍優しく正義感の強い春はいじめを止めるよう言った、しかしそれは次のターゲットが春になっただけでしかなかった。 日に日にいじめはエスカレートしていき春は、学校に行かなくなった。いや行こうとすると体調を崩すほど彼女の精神はボロボロになっていた。春の親もそんな彼女を無理には学校に行かせようとはしなかった。そんな両親の気遣いが春にはありがたかった。 春は、ベッドから起きると居間に行き冷蔵庫を見た。 「何にもない…」 いつもなら母親が朝食を用意してくれてるが今日はないようだ。机には『今日は近所の集まりがあるからご飯は適当に食べてね 母』と書き置きもあった。 「…仕方ない、コンビニに行こ」 とりあえず、着替えて顔を洗い財布を持ち帽子をかぶった。春は不登校になってからは他人と距離をとるために帽子を深くかぶってからでないと外出出来なくなっていた。 前へ |次へ |
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