《MUMEI》

『鍵は…このラブホは、親父の持ち物だから…てか、この街のラブホ全部、そうだから。』


…はい?なんですと…


『僕ん家〜ラブホ成金だから…。僕は顔パスなんだ。』


『あ…ははっ、それは…知らなかったな。』
乾いた笑いのオレ。


フワリ…
蓮見が、背後からオレを抱き締めた。


『ちょ…蓮見?』
言い掛けて、蓮見が震えてるのに気が付いた。


『良かった…無事で、なんで、ノコノコ着いて行くんだよ、バカだな…真人は…』


『だって…』


『知ってる、マイクを通して聞いてたから…』

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