《MUMEI》
伝説のキング
「柊がキングになったのって、絶対大さんの影響だと思うのよね」


廊下を歩きながら、志貴が呟くように言った。


「大さんの?」

「あの人、天然キングだから。それに、明皇出身だし。いろいろ伝説残ってるみたいだし」

「あ、俺聞いた事あります!」


俺が首を傾げていると、拓磨が会話に入ってきた。


「成績は常にトップで運動神経も抜群、眉目秀麗で二年から生徒会長

バレンタインに●ャニーズ並のチョコレートもらったり

生写真が高値で売られてたり

卒業式の後にはボタンはもちろんワイシャツやベルトも取られたって!

さすがにズボンと下着は死守したらしいですけど

その後は医大に首席合格だし

ドイツに留学経験あるし

大病院で天才外科医って言われてるし

実家はあの高山家だし

本当にすごいですよね!」

「詳しいな…」


俺は、興奮しながら語る拓磨を見て目を丸くした。


しかし


俺以外の三人は、俺の言葉に目を丸くして、こう言った。


「このくらい『普通』」


ーと。


つまり


そのくらい、柊の父親はものすごい人物なのだ。


「だから、息子の柊も、『優秀なのが普通』になっちゃったのよ」

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