《MUMEI》 長谷川からのメール「いつもの柊だった?」 「…だった。希先輩と一緒に回るってさ」 俺は、志貴に苦笑しながら携帯をしまった。 すると、また別の携帯が鳴った。 「あ、俺だ」 今度は真司が携帯を取り出した。 どうやら、メールらしい。 「長谷川、友達と来てるらしい」 サッカー部は、明日練習試合があるから今日は休みだから、長谷川も文化祭に遊びに来たらしい。 「友達何人?」 「三人だって」 「そっか、じゃあ行くか、拓磨」 「何で俺も?」 守の言葉に拓磨が不機嫌になった。 当然だ。 拓磨は志貴が好きで 三人がいなくなれば、俺と志貴は二人きりになるのだから。 「俺、行こうか?」 「それはダメ!」 俺の提案に、今度は志貴が不機嫌になった。 「祐也はダメだ。目立つから。長谷川の友達が嫌がる」 「…へ?」 「じゃあ、私も無理よね!」 首を傾げる俺の隣で志貴が笑顔で言った。 「真司や長谷川だって目立つじゃんか」 「二人ほどじゃない。というわけで、行くぞ守・拓磨」 「了解」 「だから何で俺も?」 「お前目当てがいるんだよ。いい加減現実見ろ」 真司はどこまでも冷静だった 前へ |次へ |
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