《MUMEI》 「福岡の気分?」 「おう!今日一日福岡弁で喋っちゃるけん!!」 「…ここ、東京だぞ。」 「うん。」 「浮くだろ。」 俺がそう言うと、賢ちゃんはイ〜と舌を出した。 「そんなもん気にせんでよかと!!」 「…はいはい……。」 そうしてしばらく門の前で駄弁っていると、 突然後頭部をど突かれた。 「誰だ!!」 カッとなって勢い良く振り向くと、 馴染みの顔が目に飛び込んで来た。 「冗談過ぎるぞ。」 「わりぃわりぃ! で、何の話しをしてたの?」 蓮翔ちゃんの表情には、 反省の表情が微塵も感じられない。 「うわっ賢ちゃん?」 蓮翔ちゃんは、賢ちゃんの姿を見るなり、 驚きの声を上げた。 「カッコいぃ!!」 その言葉に、ガクンと全身の力が抜けた。 「…マジかよ。」 「せやろ? 颯ちゃんは何故か認めてくれんっちゃん!!」 「え〜? このサングラスなんていい感じじゃん!!」 そう言うと、二人して俺を見やる。 まるで軽蔑するかのような視線だ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |