《MUMEI》 ‐茉莉‐「新木‥!?」 何でか‥ 新木はいきなり立ち上がって── 『‥‥‥‥ごめん』 そない言うて走り出した。 「新木っ!」 呼んでも止まってくれへんかった。 扉の閉まる音がして‥ ウチは途端に寂しなってきてもうた。 屋上に取り残されたんは‥ ウチと‥ あいつが貸してくれた本。 「‥新木‥」 ウチ傷付けてもうたんやな‥。 何も気ぃ遣わんと訊いてもうて‥。 あいつが何かあったんやて分かっとったのに‥。 ウチ友達失格や‥。 新木‥‥‥ 「ごめんな‥‥‥」 前へ |次へ |
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