《MUMEI》

数ある御伽話の中でも、薔薇の精──その物語を御話しするのは僕も楽しいので、よく聞かせて差し上げているんです。

「───────」

僕の御話に耳を傾けながら、アンリ様はうとうとと微睡み始めました。

横抱きにしてベッドに横たえ、毛布と羽根布団を掛けて差し上げると、愛らしい寝息が聞こえてきました。

「御休みなさいませ、アンリ様」

僕は囁くように言い、御部屋を後にしました。

え、何故今吸わないのか──ですか?

ぐっすり眠ってらっしゃる頃でないと、僕も不安ですからね。

真夜中の方が、心置き無く出来ますから──。

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