《MUMEI》 「……ありがと、佑介さん。ありがと」 初めて高原の名前を呼びながら、江藤はゆるり眠りへと落ちていく 繰り返されたありがとうに 高原は微かに肩を揺らす 向けられた素直な言葉を嬉しいと感じ 完璧に寝入ってしまった江藤の額を指先で撫でながら 「いい夢、見ろよ」 耳元で呟いた高原の声は、とても柔らかなものだった…… 前へ |次へ |
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