《MUMEI》 何なんだよ二人して……。 その時、学校のチャイムが鳴り響いた。 「やっべ!遅刻するっ じゃあな、賢ちゃん!!」 蓮翔ちゃんはそう言うと、一目散に校舎へ駆け出した。 「じゃあな。」 俺もその後に続く。 ところが、 「ちょっとまて!」 賢ちゃんの言葉が俺達を制した。 俺達はもう既に校門をくぐり抜けていたが、 あまりに大きな賢ちゃんの声に不思議に思って振り返った。 賢ちゃんは何処か言いにくそうな面持ちで、 仕切りに手招きを繰り返している。 「なんだよ!」 「良いから来てって!」 半ば強引に俺達を連れ戻すと、 賢ちゃんは改めて俺達の顔を見た。 「何…?」 俺はイラついた感情を抑えきれずに、 賢ちゃんを睨み付けてしまった。 だが、賢ちゃんは楽しそうに微笑むと、 「サボらねぇ?」 予想外な発言をした。 前へ |次へ |
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