《MUMEI》

いつもより少し沢山頂いてしまいました──。

今まで様々な人から頂いて来ましたが、やはりアンリ様──この御方の血は極上の品。

ようやく目の色が戻ると、僕は改めてアンリ様を見つめました。

絹のように滑らかな肌に残る、傷跡。

これを見る度、僕は何故か罪悪感を覚えてしまうのです。

そっと触れると、数秒程した後、手を離しました。

これで、明日の朝には傷は完全に消えています。

ですからアンリ様は僕に吸血されているという実感があまり無いようなのですが、それでもやはり、屡々不安に思っていらっしゃるようです。

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