《MUMEI》 私は塾のバッグから“黒いノート”を取り出して、机の上に置いた…。 そして暫くその表紙を見つめる…。 すると―――… 「何を迷ってるんだ…?」 …頭上から私を呼ぶ声がしたの…。 見上げると、天井から頭だけを逆に出して、リュークが覗いていた。 「私……分からないの……どうしたらいいのか…。」 私は溜め息とともに洩らす…。 「フッ……。未来を知ってしまうというのも残酷なものだな……。」 死神は同情めいた口調で言った。 私は冷静な判断力を失っていた…。 「教えて……。リューク…。 …私は……どうすればいいの?」 あろうことか、死神に教えを請うまでに――…。 前へ |次へ |
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