《MUMEI》
要るもの
靴を乾かして学校へ履いていく。
「……臭い、トイレの匂いがする。」
誰かが言い出して、皆も同じようにざわついた。
机に一定の距離、孤立かな、仕方がないか。
トイレ臭い僕の責任だ。
「ごめんね?」
笑顔で謝る。
静かになった。
なんで何も言わないのだろうか、変だなおかしい。
でも可笑しい。
笑いを噛み殺すのがやっとだ。
こだま達が、いつも楽しく生活しているように、
僕の中も彼等と遊んでいるうちになってきている。
さあ、今日はお昼食べないで早退して会いに行こう。僕にはわかるんだ。
皆が待っている。
あの世界が僕が本来いるべきトコロ。
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