《MUMEI》

『あ〜聖めっちゃ久しぶり、何?』

「あー久しぶり、元気か」
『元気だよ、で〜何?』
「今学校?」
『今、家、これから学校…、で、何?』


「……はあ…」

携帯を見て時間確認。今ちょうど8時30分。
誠の自宅から学校まで…、何分かかるかはわかんないけど決して近所ではない。絶対遅刻決定。
つか俺もあと10分後には教室にいないとまずいんだけど。
誰もいない肌寒い屋上のフェンスに寄り掛かりながら俺はもう一度深くため息をついた。

『な〜用ないなら切るよ?ちょっと寝たいしさ〜』
「おい!今から学校って言ったじゃん」
『あ〜そうだっけ、で、何?』

「……日高の事でちょっと言いたい事あって」
『……真依?なんで聖が真依の事で話あんだよ、アイツは俺んだぞ?聖に真依の事でなんか言われる筋合いねーんだけど』

「ンな事分かってるよ、だけど俺のダチでもあんだろ?な〜ちょっと頼みあんだけどさ〜……」
あ〜なんかもう苛々してきた!
しゃべりたくなくなってきた!!
「………つかやっぱいい、もういい!ばかばか誠なんかも〜絶対しらねえ!おまえなんか日高にフラれちまえばい〜んだ!バ〜カ!」
『はあ?なんだあ?おい!お……』


プチン!


「くそ、誠の奴…」

俺は携帯の電源ごと力強く押して教室にがに股で戻った。

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