《MUMEI》

ライブの大音量が響く中でも‥

お互いの声は聞き取れた。

だからちょっとした会話をしたりしながら──

暫く僕達は体育館で過ごしてた。

どれ位たった頃だろう──

小坂のお腹が鳴ったのに気がついた。

「お腹──空いた?」

小坂は答えない。

たぶん‥

遠慮してるんだと思う。

「待ってて」

「‥ぇ‥?」

「──何か‥買って来るから」

そう言って僕は一旦体育館から出た。

何か小坂の食べれそうな物を買いに。

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