《MUMEI》 溜め息をついてぼんやりとしていると──2階の方からヴァイオリンの音色が響いてきました。 淑やかで甘美な旋律。 僕は仕事の手を止めたまま、その音色に耳を傾けていました。 目を閉じて聴いていると、それはまるで──夢の中にいるような心地。 そして、ほんの少し切なくなります。 僕はあの御方に恋をしてしまった──。 その気持ちを抑えるのは、恐らく血を欲する事を制御するよりも難しいのではと、僕は思うのです。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |