《MUMEI》

「……ン…」
「はぁ、………」

一端離れた唇が角度を変えてまた重なってくる。
俺は目一杯爪先立ちをして、貢はそんな俺を腰を支えさっきからキスが止まらない。
「…ン、…は、……ふ…」
「聖ちゃん……、」
濡れた唇を指で拭われて、きゅっと抱きしめられる。
俺も背中に腕を回して大きな貢に寄り掛かる。
安心して、ほっとして、俺は長めの息を吐く。

「塾終わったらまっすぐ帰るから」
「当たり前だ、寄り道したらぶっとばす」
「……ふふっ……うん」

「……っ、駄目だって、ここじゃ、……ふ……あ…」
「だって昨日触ってなかったし、上から撫でるだけ、ね?」
「バカ……、ン、ン、………」

東校舎の化学準備室の隣のトイレは昼休み誰も近寄らない。それは化学教師松本が準備室で昼寝をしているからだ。
下手に煩くして起こす後日集中的に質問攻めに合う。
しかも高校レベルではやらないマニアックな質問を当たり前の様に投げかけ答えられないと評価を落とされる。
余りにも勝手な行動だが結局邪魔しなければ良いだけの話なのでこの件に関して反論する輩はいない。

スラックスの上から肛門をぐいぐい押されて呼吸が上がる。
直に触って欲しくて、全身が過敏になってきて、耳たぶを噛まれた瞬間声をあげてしまった。

「はぁ、ンフ、や、やだ……」
「こんなに感じ易い体なのにエッチ無しの日作るなんて無理なんじゃない?ね、やっぱり毎日しようよ」
「やだよ、……は、毎日は、毎日疲れてんのやだ」

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