《MUMEI》
気になること
   〜麗羅視点〜


「麗羅、合宿の部屋の相手もう決まった?」


真星がお弁当の卵焼きを口に運びながら質問する。


私の席で真星と向かい合った状態でご飯を食べているのだ。


「いや、でも・・・」


私はそこで言葉を切り、ふりかけのかかったご飯を口に運ぶ。


出てこなかった言葉の続きをご飯と一緒に飲み込む。


栄実と同じ部屋になりたい・・・でも栄実はどう思ってるんだろう?


前の栄実なら笑っていいよって言ってくれただろうな・・・


じゃあ今の栄実は?って聞かれたら・・・・・分からない。


黙り込んでしまった私に真星がまた質問を投げかける。


「蝶野さんとは同じ部屋になるんでしょ?」


栄実と同じ部屋になることが当然のような口調の質問に、私は弱々しくもしっかりと答えた。


「なりたいとは思ってる」


真星はその答えに優しい微笑みを浮かべた。


「女子は3人部屋だよね?もし良かったらなんだけど私も同じ部屋になっていいかな?」


控え目にお願いをする真星の質問に、私は一瞬驚いたがにこりと笑い、もちろんっと返した。


しかし気になることが1つだけあった・・・。


先程から痛いほどの視線を送ってきている団体の方を指ささし、真星に質問を投げかける。


「ねぇ真星?


いつも一緒にいる他の友達はいいの?」

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