《MUMEI》

こんなに綺麗な目をしてて‥

優しい心持ってて──

こんなに惹かれる奴には会うた事があらへん。

「──小坂、髪伸びたね」

「‥ぇ」

いきなり言われて──

ウチはまた固まった。

自分では気ぃついてへんかったけど‥

確かに前よりも少し伸びた気がする‥。

まだ肩には付いてへんけど──。

「そろそろ切りに行こかな‥」

「──伸ばしてても、似合うかも」

「‥?」

「学校じゃ結ばなきゃ駄目だけどね」

「ぇ、新木‥」

何言うとん‥?

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