《MUMEI》
‐茉莉‐
寒なってきたけど──

冬にはまだ早い。

でも何でか急にマフラー編みたなって──

青い毛糸で編んでみた。

今朝‥

手紙と一緒に机に入れてみてん。

ほしたら新木はちょっとビックリしてたけど──

嬉しそうに見えた。

「小坂」

「ぇ‥?」

「──次、理科室」

「ぁ‥」

すっかり時間忘れてもうてた‥。

「ごめん‥。先──行っててええよ?」

「ううん」

「ぇ、何で?」

「まだ、時間あるし‥」

新木はそう言うて──

ウチの事を待っててくれた。

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