《MUMEI》

私は死神に促され、両方の手のひらをつぶさに見つめる…。


いつもの綺麗に整った手が、そこに在るだけだった。




「たった今、お前はその手で人を殺したんだ…。


…何も見えないだろうが、その手は真っ赤に血塗られてるのさ…。」



「―――…ぇ………?」


私はギクリとする――…。



その一言が、私の心に強烈な実感を呼び覚ましてしまった…。




……… 私 は …



……… 人 を 殺 し た ………。



背筋から冷たい汗が滲み――…



心臓が早鐘のように鼓動した――…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫