《MUMEI》
‐茉莉‐
新木にノート貸してもろてしもた‥。

何か嬉しい──。

「ぁ‥」

はよ写して返さなアカンよな──。

そう思て自分のノートと新木のノートを広げる。

「‥ゎ‥」

綺麗な字‥。

思わず文字に見とれてもうた。

考えてみたら‥

あいつの文字ちゃんと見るんは初めてや。

前から綺麗やて思てたけど──

「───────」

改めて見ると‥

ホンマに綺麗やなぁて思う。

≪カチ‥≫

シャープペンシルを握り締めて‥

ウチは1文字づつノートに映し始めた。

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