《MUMEI》

「今日は喋って下さいね」

「はい」


私は、重い口を開きました。





翌朝は、悲鳴と


昭人様の怒鳴り声だけが響いておりました。


『櫻をどこにやった!』

『わ、私は、何も…』

『そういえば、お前は治人の世話係だったな』


そう言って昭人様は


何の躊躇いもなく


…彼女の


首に、ナイフを当てました。


『キャアアァー!!』

『お前は櫻を知っているか?』


ナイフを素早く動かし、動かなくなった彼女を放り投げると、昭人様は悲鳴を上げた使用人に近付きました。


『し、知りません!』

『そうか』


グサッ!


『あ、あ、あ…』


二人目は、心臓を一突き。

私は


私達はひたすら逃げました。


しかし、相手はあの、昭人様。


逞しく、武芸に秀でた…男性。


女性の私達が敵うはずも


逃げられる、はずもありません。


一人、また一人と


悲鳴が聞こえては、消えていきました。


『大奥様!』

『晴香!』


私と大奥様は、最後の望みをかけて


二人で、旦那様の部屋に飛び込みました。

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