《MUMEI》 ≪カタ‥≫ 「──おはよう」 「ぁ、ぉ‥おはよ‥」 せや‥ ノート返さな‥。 「‥ぁ‥新木っ」 「‥何?」 「こっ‥‥‥これっ、おーきに」 「──ぁ」 新木は一瞬目を円くしてから── ノートを受け取った。 「写し終わったんだ」 「うん‥。ぁ、ごめんな、昨日返せへんくて──」 「何で謝るの?」 「‥ぇ、だって‥‥」 「そんな顔しないで」 「‥ぇ」 「小坂は──笑ってる方がいい」 ≪ぽかん≫ 「新‥木‥?」 そんなん言われたんは初めてで‥ 戸惑うたけど── 嬉しかった。 「おーきに」 ウチはそう言うた。 精一杯の笑顔で──。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |