《MUMEI》

「この世界に居させて下さい。」


俺のその言葉に、
この場にいた皆が安心した表情を見せた。


「では、只今からお主は人間では無くなるのだぞ。」


「はい。」


ちょっぴり寂しい気もするけど、
悔いはない。


むしろ万々歳だ。


人間界では辛い思いをした時の方が多かったからな。


「うむ。
では、お主の真の名を授けよう。」


「真の名?」


「左様。
お主の祖父こと、この国の王ジレンダは、
お主をこう呼んでおったわ。」


ここで、シーフォードは一息ついた。


「お主の真の名は、
クラウド。」


威厳ある、落ち着き払った声でそう言った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫