《MUMEI》 「この世界に居させて下さい。」 俺のその言葉に、 この場にいた皆が安心した表情を見せた。 「では、只今からお主は人間では無くなるのだぞ。」 「はい。」 ちょっぴり寂しい気もするけど、 悔いはない。 むしろ万々歳だ。 人間界では辛い思いをした時の方が多かったからな。 「うむ。 では、お主の真の名を授けよう。」 「真の名?」 「左様。 お主の祖父こと、この国の王ジレンダは、 お主をこう呼んでおったわ。」 ここで、シーフォードは一息ついた。 「お主の真の名は、 クラウド。」 威厳ある、落ち着き払った声でそう言った。 前へ |次へ |
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