《MUMEI》

まだ冬の寒さが残る季節なのに、まるで真夏の様に汗をかいていた。


「取り敢えずシャワーだな…。」


貴士はベッドからゆっくり降りる。
その時、不意に目に入った窓。

カーテンの隙間から光りが漏れていないことから、まだ日が昇っていない事に気付いた。

何時だろうと時計に目をやると、針は二時ジャストを指していた。


「マジかよ…。」


貴士が眠りに就いたのはつい二時間前だ。


シャワーを浴びたら目が覚めてしまうだろうが、仕方ない。

貴士重たい足取りで浴室に向かった。

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