《MUMEI》
‐茉莉‐
赤とんぼが飛んで行ってから‥

暫く空を見つめとったら──

新木がウチを呼んだから隣りを見た。

ほしたらちょっぴり笑うて──

『また来年』て言うた。

「今度は小坂1人でも止まらせられると思うよ」

「‥ぇ」

ホンマやろか──。

「どうした‥?」

「‥ぅ、ううん、何でも──。おーきにな」

新木が言うたんは──

きっとホンマや。

来年は‥

自分で指に止まらせられるような気がする──。

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