《MUMEI》

「‥小坂さ──」

「?」

「何でいつも放課後残ってるんだ‥?」

「‥ぁ‥特に理由はあらへんけど──」

すぐに帰る気ぃにはならへんくて。

「校舎から夕焼けの空見るの、好きやし──」

「そっか」

「それにな、たまにブラスの音とか聞こえてきたりして楽しいで」

「───────」

「‥ぁ、おかしいやろか」

「ううん、楽しいならいいと思う」

新木はそう言うて──

またちょっとだけ笑うた。

何か──

安心したみたいな表情やった──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫