《MUMEI》

服も可愛らしくフリルのついたのを着て、朝食の準備をする。

「朝ご飯は……パンとスープでいいや」

そう言って食パンをトースターに突っ込み、インスタントのポタージュを作った。

パンが出来上がるとそれにバターを塗り、朝ご飯が完成。

「いただきます」

決まって言うこの台詞。どうもそういった癖らしい。

サクッと食べ終わり、皿を片付ける。そしてそのあとはいつものアルバイトだ。

時間までウダウダゴロゴロし、適当に暇を潰す。

「お、そろそろ行こう」

と、バイト先のコンビニへ向かった。

そしてその仕事中に友達が声をかけてきた。

「そーいやアンタ、今日誕生日でしょ?」

「うん、そうだけど」

「一人じゃ寂しいだろうから、一緒に祝ってあげようか?」

なんて上から目線なんだろう。

「いや、いいよ。何か今日は一人にしといて欲しいんだ」

そう言うと友達は、

「ふーん…。ま、アンタが嫌ならしょうがないわよね」

と、思いのほかすっぱりと諦めてくれた。

ごめんねと謝り、そのあとは黙って作業を続ける。

ようやく仕事が終わり、彼女はまっすぐ家に帰った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫