《MUMEI》 「───────」 いけないと、分かっていました。 ですが気が付いた時にはもう、後戻りは出来ませんでした。 アンリ様は僕の腕に横抱きにされたまま、人形のように微動だにしません。 「‥‥‥‥‥‥‥」 意識のある時には吸わないように、と思っていたのに。 「‥申し訳ございません‥」 既に御眠りになられているアンリ様。 完全に覚醒が収まっていない僕の心は、まだ血を欲する事を止めようとはしません。 ですがこの時、もう一度牙を立てようとは思いませんでした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |