《MUMEI》

「…………」

「………」

「…………」

「……ゃ……」

「似合ってるよ、惇」

「イヤダ〜〜〜〜!!!!!」






「脱ぐ、脱ぐ!やだこんなの最低だ!」
「そんな事ないって、世界一似合ってるよ」
「うるせー!馬鹿ゆ〜と!最低男!離せ!離せ!離せ〜〜!!」
俺は霰もない格好の惇を後ろから羽交い締めにして押さえ込む。
惇は必死にもがくけど非力すぎて動けない。

真菜が9号だと思って注文したベージュでおばさん臭いこのガードル。


広げてびっくり!も〜めっちゃびっくり!この世にこんなスゲーものが本当に存在することを初めて知った。

爆笑しながらタグを見ると9号ではなくなんと9Lで!

も〜更に一人大爆笑!!
真菜は返品すると言ってきかなかったが俺はそんな勿体ない事するなと反論。
返品しない方が勿体ないと言いかえす真菜だったが、
擦った揉んだの揚句俺が買い取る事で決着。
その後も真菜はぶつぶつ言いながら不満げにしていたけど…。


ガードル掴んでトイレでデニムだけ脱いでそれをおもむろに履いてみた。

するとめちゃめちゃガボガボ!当然だ、ウエストの表示、120センチ越えてるし下手したらここに真菜も入れそうで。


俺はダボダボの両脇を掴んで肩にぐいっと引っ掛けた。


服の上からだからかなりきついが、まるで女もののハイレグの水着みたいに着れてしまった。


俺は素早く脱ぎ、デニムを履いて、二枚組580円9Lガードルをバッグに詰め込んでマンションを飛び出した。

そして真っすぐ惇の元へ……。


そして今俺達は、ベージュのガードルをハイレグ水着みたいに着込んでもみ合っている最中……


といった訳である。

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