《MUMEI》
気持ち
目の前に、麻美が居る

聞きたい事、話したい事がいっぱいあるのに、
何も言葉がでない

終電のアナウンスが、ホームに響いた

俺達は何も話せないままだった
 
終電がホームを出て行った
俺「麻美、会いたかった…」
やっと出た言葉だった

麻美「…優斗…あたしね…優斗に会わないって決めてたの…」
「…でもね…」

麻美の頬を、涙が伝う

何で?、俺に会わないって…

駅員さんが「もうすぐ、電気、消えますよ」と、
声をかけてきた

俺は、麻美の手を、そっと握った

そのまま、麻美を連れ、駅を出た
 
 
人通りの少ない、大通りを手を繋いだまま、歩いた
 
 
俺「麻美に会いたくて、しかたなかった…」
「あの日、駅で見かけてから…ずっと、探してたんだ…」

麻美「…私も…優斗だって…直ぐわかったよ…」

俺「会えると、思ってなかった…」

麻美「…優斗が居たの…」「前に…あそこに優斗が居たんだなぁって、見たら…」
「ホントに優斗が居たの…」
「けど…」
「…私ね…会ったらダメだって…」

俺「なんで、俺を避けるのかわからないけど…」
「俺は麻美を、放さない」
麻美の手を強く握った

麻美「…」

俺「俺は、麻美が好きだ」 「麻美が俺を嫌いでも…俺は、麻美が好きなんだ」 
麻美「…」

また、麻美の頬を涙が… 
麻美「…私、優斗の側に居ちゃいけない女なの…」

俺「…俺は麻美が側に居てくれなきゃダメなんだ…」
麻美「…優斗、何も知らないから…」

俺「麻美が、犯罪者でも、風俗嬢でも、何でもいい!」
「麻美に、ふられるまで」「俺は、麻美をあきらめない…」

麻美の言葉をさえぎって
俺は、言い放った、

麻美の手を握りしめ、
歩道を歩いた

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