貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》残る硝煙
「レイダーをやったな!」
隊長機が突っ込んでくる、俺の反応は遅かった。体当たりを受けて機体はビル群に押し倒される。衝撃が全身を打つ、電撃のような鋭い痛みが駆け巡った。
一瞬、視界を失う。
それでもレバーを離さず、気力を絞り意識を保つ。
これまでに無いほどの精神の高揚、そして恐怖が俺を支配していた。
「キャノンはまだ使える!」
連続して2発の弾丸が敵へ飛ぶ。当たりはしなかったものの体勢を立て直す。
残弾は一発、バスタードソードは軽く曲がっている。敵機は無傷だ…
どうする…!?
思考を巡らせるも答えは見えない。
敵は待ってくれなかった。
「躊躇したな!もらった!」
脚部に装備された塊を投げつけられ、とっさにソードで叩き落とす。
閃光弾だった…!
衝撃と閃光が一面を包み、俺はだだ動けなかった。まるでコマ送りのように音が消え白が流れていく。
恐怖でトリガーを引いた。最後の…キャノン
白い闇を抜け現実へ戻った俺の目の前には…
コクピットに弾丸が食い込み、動かなくなったモビルトルーパーが残っていた。
「やったのか…」
虚空…
静かに呟き、やがて状況を理解する。
「パ、パイロットは死んだか…死んだのか…うっ!」
コクピットには血が四散していた、吐き気と寒気が襲い俺はその場で嘔吐した。
砕けた街、残骸、逃げ遅れた人々、そして目の前の死
街には、だだ硝煙が残っていた…
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