《MUMEI》

◆◆◆

あいつがあんなに落ち込んでたのは‥

これが‥

祖父さんが好きな花だったからなのかも知れない。

あいつは‥

たぶんこの花に祖父さんを重ね合わせてる。

そう思ったら‥

少し羨ましくなった。

おれには‥

そういうのがないから。

何かを見て‥

誰かの面影を思い出す‥

なんて事はない。

おれは見放されたから。

でも‥

あいつがおれを拾ってくれた。

ここ住まわせてくれた。

おれには‥

あいつしかいない。

でも‥

一人でもおれを認めてくれる奴がいるから‥

こうやってこんな事を考えてられるんだろうな‥。

◆◆◆

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫