《MUMEI》

「昼休み終わるから──戻ろうか」

「ぁ‥うん‥」

そう答えたんやけど──

何でかポカンとしたまま動かれへんかった。

「小坂、どうした‥?」

「ぁ‥ごめん‥‥」

「疲れた?」

「‥ううん、ちょっと──」

ビックリしただけや‥。

何にも言うてへんはずやのに──

返事が返ってきた。

心ん中読んだみたいに‥。

何で分かるんやろ‥。

「ほら、行こう。チャイム鳴ったよ」

「ぇ、‥ちょっ」

強引に腕を引っ張り上げられて立ち上がる。

それから駆け出した。

こいつに引っ張られて──。

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