《MUMEI》

「…ご協力、ありがとうございました」


泣き崩れる私に頭を下げて、警部さんは部屋を出て行きました。


「あ、ああの、…失礼しました」


警部さんの後ろでただオロオロしていた警官も、それだけ言って出ていきました。





そうして


櫻がどこに行ったのか


昭人様が誰にどうやって殺されたのか


何もわからないまま


時は過ぎていきました。


…私はそれから別のお屋敷で働き


年をとり


一人で、死んでいきました。







第一部 完結

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