《MUMEI》

「お待ちしておりました!

あなたが有名な


除霊率100パーセントの霊能力者の、佐倉先生ですね!」

「い、いえ、お…僕は、助手の山田…です」


あぁ…まただ。


実は毎回、俺・助手の山田篤志は先生と間違えられるのだ。


「え? じゃあ、…?」


信じられない


そんな顔をして、依頼主


とある女子校の校長は、佐倉先生を見つめた。


「あ? 文句あるか?」


佐倉先生は、校長を睨みつけた。


佐倉先生…


それじゃ、ただのヤンキーです


俺は、毎回頭を抱えた。


せめて、その茶髪を


ピアスを


…ドクロTシャツに、ダメージジーンズを止めて下さい


それを止めれば…


スーツにすれば…


だめだ。


一回やったらホストになった事を俺は思い出していた。


「おい、篤志。行くぞ」


呆然とする校長と


いつものやりとりにうんざりするスーツの俺を置いて

ヤンキー俺様霊能力者は歩き出した。


ちなみに、一応今年高校は何とか卒業した佐倉先生は、今、十八歳。


「待って下さい、先生!」


俺は、二つ年上の二十歳だ。

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