《MUMEI》

「篤志、十五禁フィルターよろしく」

「…結界です」


これが、俺が佐倉先生に拉致された理由。


俺は、二種類の結界が張れる。


一つ目が、これ。


「…できました」


俺は、佐倉先生と悪霊…理沙さんの周りを透明なガラスのような結界で覆った。

これで、周りからは簡単に攻撃出来ない。


普通、そこに悪霊と二人きりはありえないのだが…


ここから、佐倉先生の


とんでもない除霊が始まる。


「あああの、一体?」

「邪気を吸い出し、佐倉先生の体内で浄化し、その聖なる力を注入するんです」

俺は、校長に


ものすごく美しい表現で、佐倉先生の除霊の方法を説明した。


佐倉先生が


何を使って


悪霊のどこから邪気を吸い出し


何を使って


再び悪霊に聖気を注入するのか


俺は


語りたく無かった。


そして佐倉先生は


血まみれの理沙さんの唇に

自分の唇を


重ねた。

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