《MUMEI》

「あ、あんな気味悪い物によ……く?」


最初は顔をしかめていた校長の目が丸くなった。


血まみれだった理沙さん


彼女の顔が、体が徐々に変化していく。


「…やっぱり美人じゃん」

唇を離した佐倉先生の前にいたのは


生前と変わらぬ姿の


美しい、理沙さんだった。

ちなみに、理沙さんの今の姿を、佐倉先生は事前にチェックしていた。


というより、対象が美人かどうかが、依頼を受ける基準だったからだ。


「せ、先生、相手は未成年ですからね」

「あ? んなの関係ね〜よ。なぁ、理沙?」


あぁ、理沙さんが赤くなってる!


佐倉先生は、俺よりはるかに美しい顔立ちをしていたのだ。


「いいよな?」

「…は…い」


うわぁ〜!


「おい、篤志」

「何でしょう、佐倉先生」

何を言われるかわかったが、俺は、一応質問した。


このまま、もう一度理沙さんにキスして


それで


それだけで…

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