《MUMEI》

時々小坂と目が合ったりしてドキドキしながらも──

気付いたら1冊読み終わってた。

≪カタン‥≫

新しい本を取りに行こうと思って立ち上がった時──

小坂がふと顔を上げた。

「読み終わったん‥?」

「うん。別の本持って来る」

囁くような会話を交わして──

僕は奥の本棚に向かった。

「───────」

次はどれを読もうかな‥。

1冊づつ‥

本のタイトルを見て回る。

5分位かかってやっと選んで──

僕は席に戻った。

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