《MUMEI》 5限目が終わって── 一旦カバンを取りに教室に戻って来た。 「小坂、今日──」 「‥ぇ」 「帰らない‥? 途中まで‥一緒に──」 「ぇ‥?」 「いつも独りで帰ると寂しいだろ‥?」 「えっ‥と‥もう慣れてもうたて言うか──」 「独りで帰る方がいいなら、無理には誘わないけど‥」 「‥ほな、寄り道してもええ?」 「寄り‥道‥?」 「ウチな、帰る時──よう寄り道すんねん」 「うん、──いいよ」 「ホンマっ?」 「今そう言った」 「ぁ‥、ごめん」 苦笑したら── 新木もちょっぴり笑うてくれた。 前へ |次へ |
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